金銀糸・平箔の応用加工品のいろいろ
金銀糸・平箔は製品として出来上がったものを、そのまま使うだけではありません。金糸を複数本合わせて撚ったり、他の素材と合わせて撚ったりもします。様々な例を紹介します。
一般的に金銀糸・箔といっても光っているものばかりではありません。透明のフィルムをそのまま使ったり、金属蒸着をせずカラーフィルムに仕上げたり、オーロラ発色する着色を施したりもします。
下記の例では、同じものを合わせることもあれば、別の色のものを合わせたり、まったく違った品種のものを合わせたり、その製品の広がりは数え切れません。
<二本撚り・三本撚り・・・・>
複数本の金糸を合わせて撚ることでボリュームが作られることはもちろん、表面光沢も乱反射が生まれます。綴れ織やふくさなどによく使われています。
<金銀糸の杢糸>
絹糸と金糸を合わせて撚ります。これも綴れ織によくつかわれますが、金糸の合わせ撚りに比べ落ち着きがあり柔らかい光沢の織物になります。明綴帯などによく用いられます。
<金銀箔の杢糸><その他の箔の杢糸>
絹糸と100~200切の箔糸を合わせて撚ります。織物の地抜きによく使われます。金銀糸の杢に比べ細かな砂子状の光沢をかもし出します。200切の箔を使用する場合は最初に糸と箔を下撚りをし、出来上がったものに、さらに糸を上撚りします。下撚りの糸の太細、糸本数の多少、撚り回数の加減、また同じく上撚りの様々なテクニックでその表現を変化させていきます。
(写真左端は絹糸と200切の銀箔を、中の二本はレーヨンの色糸と200切の金箔を、右側の1本はレーヨンの白糸と120切のオーロラ箔を杢にしたものです)
<ラメ糸>
一般的に多く見られるものとしては、羽衣といわれるものです。キュプラやレーヨンと130切程度の箔を合わせて撚ります。用途は多方面にわたっています。
また金銀糸と200切程度の箔を合わせて撚ることもあります。金銀糸の光沢の上に、さらに箔の光沢が加わりキラキラとした表現になります。
(左側の写真は色金糸、黒金糸、白金糸に200切の金銀の箔を掛合わせたもの。右側の写真は色金糸や色箔に金箔やオーロラの箔を掛合わせたものです)
<箔撚り>
平箔に撚りをかけて使用します。一本のみを空撚りしたり、二本に合わせて撚ったりします。テープ状のものを撚り上げるわけですからもちろん乱反射します。色の異なるものを何本か合わせると複雑な変化がでます。
(左側の写真は異なる3色の箔を掛け合わせたもの。右側の写真は20切~30切の薄い箔を単にから撚りしたものです)