佐賀錦用の箔について
佐賀錦は金銀の箔糸を経糸(タテイト)に用いた織物です。
江戸時代いまの佐賀鹿島藩鍋島家で発案され発展したものを西陣織の帯地に応用した織物です。
和紙の箔が主だった時代は引箔と同様に片面のみのものが用いられ、箔の切幅も
50切前後だったと思われます。
ポリエステルフィルムになると強度が増し細く切っても、経糸として使えるようになりました。
今では100切のものもあります。また織機にも対応するように両面箔になってきました。
初期の頃は両面箔といってもほとんどが金銀の無地ものばかりでした。その後印刷技術の
発展に伴い両面でも表と裏がピッタリと合う柄物が出来るようになりました。
献上ぼかし、摺り箔模様、砂子の散し等表裏が寸分の狂いもなく着色することができます。
製織時に箔が裏返しになっても不具合になりません。
通常佐賀錦というと菱や鞘方、亀甲といった地紋入りのものが思い浮かびます。
これは箔を経糸にした場合、どうしてもタテざしという現象が出やすいためです。
紋を入れることによりタテざしを押さえる効果があるからです。